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 水泡に帰す

 



生きるという事は水の流れのようだと思う。

水の流れのようにただゆるりと流れていく。
たまに流れが速くなったりすることもあれば、
流れているのかと思うほどに穏やかなこともある。
そこを、多分きっと私は歩いている。

その中で浮き上がる泡。自分の目の前で
ぼこぼこと生まれる泡を、すくいとって、生きている。
しかし川の流れと共に泡は消えたり現れたり。せわしない。

たまに、他とは類を見ない、美しい泡を見つける。
その綺麗なものに感銘を覚え、すくいとって、
大事だから離すまい、消えさせまいと手で囲い、掬い取る。

しかし。、長い流れを歩いていると、
それは少しずつ消えていく、小さく、しぼむように。
それでも懸命に消すまいと思うが、次にまた新たな、美しい泡を見ると、
それに目を奪われ、消えてしまいそうな泡と一緒に手に入れる。
そして。
その新しい泡が一番になり、古い泡がとうとう消えてしまっても、
ああ、消えてしまったな。と感慨に浸るばかりで。

そしてあとで考える、何故あの時の私は古い泡をあんなにまで大事にしていたのかを。
ただそこにあるのは、思いのみ。
「大事」だったという、思いのみ。

しかしそういう風に感慨をいだけたものは、幸せなほうだ。
認識はすれど、いつの間にか消えている泡の方が圧倒的に多いからだ。

絶対は無い。流れに身を任せ、全ては水泡に帰す。
それを見ている私も、恐らくは水泡の一つに過ぎないのだろうと、大きな流れを見てふと、思うのである。
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