もうひとつのあしあと。
アニメの内容だったり、サイトの更新だったり、日々つれづれだったりとごった煮マイペース日記。
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泣いてしまった
ネタバレなのでつづきに隠します
「予告殺人」アガサクリスティーのマープルものである。
犯人のミス・ブラックロックが、殺人を犯し、自分の秘密を言い出しかねない
間の抜けた、でも心からの愛情を持っていた親友を殺した心境を考えていたら
ふいに泣いてしまったのである。
「しかし、彼女はドラ・バンナーをードラの愛情と忠実さが消え去ったのを寂しく思いました。もう昔のことを語り合うことさえできないのです…(中略)…シャーロットは激しく泣いていましたー彼女は心の底から悲しかったのです。自分の親友を殺してしまったのですからね…」
彼女は遺産が欲しかった。姉に成りすまして機をうかがうほど、お金がほしかったのだ
そのために、穏やかで苦しみを与えない方法を使ったとしても…親友を殺してしまったのである。
親友とお金を天秤にかけて、お金を選んだけれど、
その悲しみも本物だったのだ。
親友を殺して平然としていれば、まあ普通の殺人犯人といったところに収まるのだが、
この犯人は、シャーロットは殺してしまっても、悲しかった。その気持ちが本物であるというところが胸にきたのかもしれない。実に人間らしい感情だからである。
気をてらうために、予想以上の変態犯人が出てくる物語もあるが、
あまりにも突拍子なさ過ぎて、理解も納得もできないことが実情である。
多分それは人間ではなくて、化け物に過ぎないんだろうなと思う。
(まあ、事実そういう人間がいることも、事実は小説より奇なりといって事実ではあるが)
理解できない、化け物。
それに比べてこのシャーロットはとても人間らしい。
人間らしく欲があり、弱くて、抜け目なく、残忍で…それでも孤独を感じ、幼少時代の幼馴染を愛していたことに変わりはない人物…
もし自分がそういう状況に置かれたら、私も同じことをやるだろうか…
その答えは分からないとしかいいようがなく、
もしかしたらやるかもしれないとまで言える。
お金は必要だが、人を狂わせるものでもある。
幸せとはなんだろうか。自分は何を幸せと定義しているだろうかとふと思いを馳せる。
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